合言葉は「シンプル」
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20代の頃にアルゼンチンで3週間ほど、ホームステイをしながらゲストハウス作りに携わったことがあります。
ゲストハウスを一から手作りするという、なんとも壮大なプロジェクト。
私たち夫婦が携わった時期はすでに家の骨組みは出来ていたので、壁にペンキを塗ったり、お風呂場を作ったりするといった内容でした。(あ、夫婦で行きました)
そんなゲストハウスのご主人フーリオと奥さんのフェルナンダとは、毎日一緒に朝昼晩とごはんをともにし、時間があればアルゼンチン内を案内してくれて。
大切な思い出です。
60代のフーリオは芸術家。
ほとんどの時間をパジャマで過ごし、毎日をゆったりと過ごしていました。
私はというと、いつもセカセカバタバタ。
何をするにも「効率よく、手際よく!」と頑張るけど、ほぼ空回り。お恥ずかしながら、ただバタバタしているだけでした(笑)
そんな私にフーリオがいつもかけてくれる言葉があって、今でもよく思い出します。
「りか、シンプル。シンプル。」
欲張ろうとする私に、いつもかけてくれた言葉。シンプル。
フーリオとの出会い、そしてこのシンプルという言葉は、確実に私の中で一つのターニングポイントになりました。
シンプルに
買い物をしていると、あれもこれも、と手に取る自分がいます。
料理をしていると、あれもこれも、と副菜や調味料を足す自分がいます。
口さみしいなと思うと、あれもこれも、と空腹でもないのに食べる自分がいます。
なんでも手に入る便利な世の中。気を抜くと、どうしても「足し算」をしたがる私がいます。足し算マンです。
みなさんにも、そういう瞬間はないですか?
そんな時に思い出すのが、フーリオの「りか、シンプル」。
足しても足しても満足しないのは、きっと足すことに慣れてしまったから。
引くことよりも、足すことの方が簡単だから。
でも「シンプル」を意識すると、まず大切なものを選ぶようになります。
沢山の選択肢の中から、大事なものを取捨選択する。そうすると一つ一つの選択に対して、真剣に向き合えるようになっていきます。
足し算の時にはなかった、不思議な感覚です。
お気に入りの場所があるんだと連れて行ってくれた渓谷で、ハイ、チーズ。
引いて引いて、そぎおとしたその先に、実は本当の真実があるのかも。
実はシンプルな中に、見えないものが隠れているのかも。
今でも「足し算マン」になっていそうなときは、「いかんいかん、シンプル、シンプル。」と自分自身に言い聞かせます。
お湯を注ぐだけの朝ごはん
毎日の食卓も、きっと、もっともっとシンプルに削ぎ落して良い。
シンプルにシンプルに…、とつぶやきながらの朝ごはんでした。
〇朝ごはん
・玄米にごま塩
・お味噌玉(わかめ、あおさ、寒天)
・みかん
これからもきっと「足し算マン」は出てくると思います。だってこれだけ便利で誘惑の多い世の中だから。(大変だ!)
だからこそ、出てきたときには「シンプル」「そぎおとし」を合言葉に過ごしていこうと思います。